ギターくん

ジャズセッションの時のこと。

リアルのお話。

 

ツンツンに尖ったエレキギターを待って、小声でボソボソと話す、地味な感じの若い男の子。

「もともと…ポップスが好きだったんですけど…少し前からジャズ習い始めて…。

黒本?

な、なんすか、それ。

あ、すいません…。」

ド派手なギターと彼とのギャップが大きくて、最初、なんだろう、この子ぐらいに思ってたのですが。


曲が始まりセッションを始めると、ソロ取っても選ぶ音がいい、フレーズかっこいい、小難しい事は置いといて、うまい!

そして、音楽好きなんだろうなぁ、一人で黙々と練習してるんだなぁ、というのがしんしんと伝わってくる。


周りの楽器のオッサン達も、だんだん気付き始めて、

「ギター、音小さいから、もっとスピーカーのボリューム上げて!」

「もっと、グイグイ入ってきていいんだよ」

「ジャズってね、最初は目立ち過ぎるくらいで丁度いいの。」

と嬉しそう。


こういう瞬間て、なんか心が震える。

そして、すごく楽しい。

音楽っていいな、て思う。


今年もいっぱい、音楽できますように。