少し前に、「モモ」という本を読みました。
モモは人の本当の気持ちが、分かってしまう不思議な女の子。
モモは、古い野外にある円形劇場に一人で住んでいますが、いつもそこには、モモの事が大好きなお友達がたくさん訪れてきます。
ある日、人間から、人間らしい時間を奪ってしまう灰色の男達、時間どろぼうがモモの街にやってきます。
そして、大人達に言います。
「あなた達は、時間を無駄にしている。
映画を観たり本を読んだり、家族やお友達とおしゃべりしている、
そんな無駄な時間を節約して、もっと働きなさい。
節約した時間を私達の時間銀行にあずければ、
将来、もっと豊かな暮らしができますよ。」と。
信じてしまった大人達は、時間を節約して、人間らしい気持ちをどんどん失ってしまい、目先の利益ばかりに気を取られ、気付けば街には絶えず犯罪が起こり、人々の笑顔もなくなり、忙しそうな人ばかりであふれている。
そんな灰色の男達に、モモと子供たちが立ち向かうのですが・・・。
というお話。
遠い昔の話のように聞こえますが、まるで今の時代を表わしているようなお話。
深く深く、考えさせられる本でした。